りょん日記

世界一周、はじめました!くう〜。の記憶を呼び覚ましつつ、日常のことも。

"Smiles generate smiles, just as love generates love."

インドの東に位置する都市、コルカタ

 

ここにはインドの貧しい人々に人生を捧げ、多くの人を救った人が眠っている場所。

 

誰だかわかりますか?!カルカッタと言ったほうがピンとくる方も多いかもしれません。(英国植民地時代、現在のコルカタカルカッタと呼ばれたそう)

 

 

 

正解は、、、

マザーテレサです!!!

 

小学生の時にマザーテレサの本を読んで感動して泣いたのを覚えてる。

世界には人のためこんなにも働ける人がいるんだ〜って。

 

恥ずかしながら本の内容はほとんど忘れてしまったのだけど、唯一覚えてることがあって。

 

それは、『この世で一番不幸なことは、誰からも愛されずに死んでいくこと』

 

 

小学生の頃、あれは多分低学年だったと思う。遠い遠い国の話だと思っていたインドに、しかもコルカタに自分がくるなんて。

本を読んでいた頃の自分が聞いたらビックリするんじゃないかな。

 

私が泊まった宿はマザーハウスからとっても近いことから、ボランティアをする人が多く泊まってた。

 

 

初日、もう何十年もマザーハウスに携わっているしているナオさんに食事に連れてってもらった。

 

「ボランティアをするにあたって大切なことは気持ちよ。100%の愛情が注げれば、1日だっていい。期間は関係ない。」

 

 

マザーハウスのボランティア派遣施設はいくつかあって、乳幼児だけの施設や、子どもの施設。

成人男性、成人女性の施設。それから、死を待つ人の家と言われる貧困や病気で死にそうになっている人の最期を看取るための施設など。

年齢、性別、国籍関係なく毎日多種多様な人々がボランティアとしてやってきている。

長期で活動する人もいれば、私のように旅行の合間にくる人も。

 

ボランティア先は基本的にはお任せで、今回私が派遣されたのは「シャンティ・ダン」という成人女性の生活施設だった。

施設内ではシスターではなく、実務的な仕事、例えば着替えや洗濯、シャワーや食事の介助を行っている女性たちが働いている。シスターは怪我手当等がメインのように見えた。

 

結果、たった半日のボランティアは一生忘れられない記憶になった。

 

 

中に入るとすぐに入所者に抱きつかれた。

ここではボランティは「アンティ」と呼ばれる。

他のボランティア同様、特に驚きもせずに強く抱きしめ返した自分がいたのには自分でも驚いた。

(後から知ったけど、入所者との身体的接触はシラミや感染症の可能性もゼロじゃないから控えた方が良いとのこと。またはバンダナを着用した方が良い。事前にそれを知ってたら自分は一体どんな反応をしただろうか。確実に腰が引けてたと思う。)

 

2階建の施設では、1階はコミュニケーションが難しい人が、2階は比較的自立している人が合わせて100人ほど生活してるらしい。

 

ここではボランティアに対して明確な作業指示はなく、入居者とのコミュニケーションがボランティアに求められる主な活動のようだった。

もちろん長期で来ている人は別だろうけど。

 

 

1階の入居者の1人に呼ばれ共同の寝室で着替えの手伝いをする。

 

そのまま手を引かれるがままにトイレ兼、シャワールームへ。まさか素っ裸の女性が用をたす姿を目の前でみるなんて思わなかった。

 

そのままシャワーへ。

 

泣き叫びながら水をかけられる姿には、さすがの私も面食らってしまった。

働いている人が顔色一つ変えずに水をかけ続ける姿からここの”日常”を垣間見た気がした

 

シャワーを浴びたらまた着替え。

それから包帯を巻くのを手伝った。

 

彼女の足の親指は壊死していた。

 

言葉はわからないけど、黒くなった親指を指差しながら苦しそうな顔をするのは、痛みと、ある種の不条理を訴えているように感じた。

 

彼女の瞳は焦点が合わず、常に目が泳いでいたけれど、ハッキリとした二重まぶたとスッと通った鼻筋から、美しい女性であったことがうかがえた。

 

この人は一体何故ここで生活しているのだろう。。。

 

 

ここに住む女性たちは、家庭内暴力性的虐待を受けて精神的な病を患った人たちだという。

 

 

 

 

前日のナオさんの言葉を思い出す。

 

「大切なのは気持ち」

 

 

彼女の過去も未来もわからないけど、今この瞬間全力で、彼女を慈しむ気持ちで接しようと思った。

 

どうにかして話しかけて、笑わせようとしてみる。

 

何を言ってるかもさっぱりわからないけど、発せられる音を真似してみたり、手を握ったり。

赤ちゃんをあやすかのように。

 

徐々に笑ってくれるようになったら、合わなかった目が合った。

確かにしっかりと目が合うようになった。

 

素直に嬉しかった。

 

不思議と目と目が合うようになるとお互いの距離が縮まったように感じる。

 

感じるだけだけど。。。

 

 

 

正直に言うと、何かしてあげたいだとか、奉仕活動をしたいとか高尚な精神でここにきたわけじゃない。

 

興味が、動機の殆どをしめていた。

 

マザーテレサが人生を捧げた場所に行ってみたいという、自分本位の思い。

 

長期旅行者の、旅の体験。

 

もしかしたら私の行為はただの冷やかしだったのかもしれない。

 

でも、ボランティアなんだからやらないよりやった方がいいじゃない?

 

ボランティアっていうけど、私役にたったのかしら??

 

いや、これはボランティアじゃなくて冷やかしなんじゃ?

 

そんな不純な気持ちでボランティアするくらいなら、、、?

 

 

 

答えのでない思いが巡る。

 

 

 

「大切なのは気持ち」

 

それは、私のような人を救うためにある言葉だと思った。

 

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"Smiles generate smiles, just as love generates love."

       Mother Teresa

(愛が愛を生み出すように、笑顔が笑顔を生む)